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ブルーベリーの肥料と葉の黄化の研究|窒素の形でわかったこと

アンモニア態と硝酸態の窒素の違い、葉が黄色くなる条件、樹が1年に使う窒素の量など、大学や試験場などの研究結果を、数字つきでやさしくご紹介します。肥料選びや量の考え方に役立つヒントを、各研究にそえてお届けします。

研究・論文

ブルーベリーの葉が黄色くなると、「肥料が足りないのかな」と心配になりますよね。実は、窒素の「形」や土のpHが原因のこともあります。ここでは、窒素の形と葉の黄化、そして樹がどのくらい養分を使うのかを調べた研究を4つご紹介します。肥料の量や種類を考えるときの、数字の目安になる内容です。

この記事は、公開されている論文・報告書の内容をもとに、わかりやすく言い換えたものです。数字は原典の記載に従っています。東京の研究は主に露地の畑での結果です。

ピートモス・窒素の形・pHの組み合わせ(恵泉女学園園芸短期大学・2004年)

どんな研究? ラビットアイ系の「ホームベル」で、ピートモスの有無、窒素の形(アンモニア態か硝酸態か)、土のpHを組み合わせて、生育と養分吸収を比べました。

わかったこと pH4では、ピートモスとアンモニア態窒素の組み合わせで、生育が最もよくなりました。アンモニア態窒素は、硝酸態窒素より葉の展開を促しました。硝酸態窒素を与えてpH6にした区では、葉が黄色くなる症状や葉やけが出ました。ピートモスは、pH4で葉・枝・根の窒素、リン、カリを増やし、葉と根のアルミニウムと鉄を減らしました。

家庭で育てる人へのヒント ヒント: この研究の条件では、窒素はアンモニア態のほうが向き、pHが高いときの硝酸態では黄化が出ました。肥料を選ぶときは、窒素の形が書かれた成分表示を見てみてください。なお、この研究では、ピートモスを入れた区で葉や根の鉄とアルミニウムが減っています。著者らは、ピートモスが、硝酸態窒素や高いpHによる生育不良を防ぐのに役立つ可能性を述べています。

ティフブルーが1年に使う窒素の量(東京都農林総合研究センター・2007〜2010年度の試験)

どんな研究? 東京の畑で育てたラビットアイ系「ティフブルー」について、せん定、果実、落ち葉で持ち出される養分を量り、肥料の量を考える材料にした研究です。10年以上の成木2本と、4年生の若木4本を使いました。

わかったこと 成木の1年間の持ち出し量は、10aあたりおよそ窒素10kg、リン2kg、カリ9kgでした。内訳を見ると、果実の収穫で出ていく窒素は0.6〜1.3kg、落ち葉で出ていく窒素は2.6〜3.9kgでした(いずれも10aあたり)。成木1本あたりの収量は2.4〜5.2kgでした。窒素とリンは、せん定した枝で多く持ち出されました。カリは落ち葉で多く出ていきました。標準の施肥量(窒素-リン酸-カリで6-5-5kg/10a)では、落ち葉が戻る分を数えても、窒素の持ち出しが供給を上回りました。見かけの利用率は、窒素で約120%、リンで37%、カリで95%でした。園地の土は有機物が多い土でした。土のpHは試験中に6.0超から5.6〜5.8へ下がり、交換性のカルシウムとマグネシウムは減りました。著者らは、pHを上げない資材での補給を勧めています。

家庭で育てる人へのヒント ヒント: 樹は毎年、せん定した枝や葉で窒素を持ち出します。肥料を決めるときは、樹の大きさや枝の量も一緒に考えるとよいでしょう。

ティフブルーの窒素の動きを詳しく調べた研究(東京都農林総合研究センター・2007〜2008年の調査)

どんな研究? 同じ「ティフブルー」で、窒素が何に使われているのかを調べました。若木(2004年植え付け)と成木を比べ、標準の施肥(3月に基肥、8月に追肥)のもとで、せん定、果実、落ち葉からの窒素の持ち出しを計算しました。

わかったこと 調べたのは、1本ずつの成木2本と若木4本で、10aあたりの植え付け本数は、若木が435本、成木が286本でした。成木では、せん定で10aあたり約6kg、果実で約5kg(2007年)〜約8kg(2008年)、落ち葉で約2.5kg(2007年)〜約4kg(2008年)の窒素が出ていきました。若木の持ち出しは、年に約3〜9kg/10aでした。2008年のせん定した枝の重さは、成木で1本あたり約5.6kg、若木で約0.9kgでした。成木の収量は、10aあたり2007年が約1t、2008年が約1.5tでした。せん定では、若木で樹冠の30〜60%、成木で50〜60%が除かれました。著者らは、落ち葉の窒素は畑に戻るため、肥料の使われ方の効率が上がる可能性を述べています。

家庭で育てる人へのヒント ヒント: 落ち葉にも窒素が含まれ、畑に戻ります。庭で育てる場合も、株元の落ち葉をすべて掃き出さなくてよい、という考え方の材料になります。

ハイブッシュ系と交配系統の肥料吸収(東京都農林総合研究センター・2011〜2014年の試験)

どんな研究? ハイブッシュ系の「オニール」「シャープブルー」、実生系統、交配系統について、樹の大きさと養分の持ち出しの関係を調べました。

わかったこと せん定や落ち葉で出ていく養分量は、樹の体積にほぼ比例しました。勢いのよい樹ほど、せん定量が多くなりました。成木園の土は有機物が多く、CEC(養分を蓄える力)は33.1、若木園は16.1でした。土のpHは約4.5〜5.9で、ブルーベリーに適した範囲でした。1本あたりの収量は157〜795gと、年によって大きく変わりました。果実の窒素含有率は、オニール0.63%、シャープブルー0.44%、ティフブルー0.30%でした。年間の必要量の推定は、オニールとシャープブルーで、窒素0.7〜3.2kg、リン酸0.2〜0.7kg、カリ0.5〜3.4kg(いずれも10aあたり)でした。交配系統の2つ(2HF12⑩と2HF4⑥)も、果実の窒素が0.53%、0.43%と高めでした。著者らは、樹が小さいぶん、東京の標準(6-5-5kg/10a)より少ない肥料でよい可能性を述べています。

家庭で育てる人へのヒント ヒント: 樹が小さいうちは、肥料の量も少なめで足りる可能性があります。株の大きさを見ながら、量を調整してみましょう。

まとめ

ここでご紹介した数字は、10aの畑での結果です。鉢や庭の数本にそのまま当てはめるのではなく、「樹の大きさに合わせて量を考える」という考え方の参考にしてください。葉の色が気になるときは、まず土のpHを測ってみてください。

この記事で紹介した論文・報告

論文の内容は、公開されている要旨・本文を日本語でやさしくまとめたものです。くわしい条件や数字は、下の「参考情報」のリンクから原文をご確認ください。
本記事は公的機関・種苗会社・園芸情報サイトなどの公開情報をもとに作成しています(2026年10月時点)。数値は目安であり、品種・地域・土壌により異なります。農薬を使用する場合は必ず登録内容とラベルをご確認ください。

参考情報

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