ブルーベリーの栄養と日本の産地|生産量1位は意外なあの都道府県
ブルーベリーは食物繊維とビタミンEが豊富な果物。アントシアニンの話から、生産量日本一の意外な都道府県まで、知って楽しいデータを紹介します。
栽培発祥の地・東京都小平市から、岩手町、美里町、木更津市、能登町、吉備中央町まで、自治体やJA、観光協会が力を入れる全国22か所のご当地ブルーベリーを、歴史や祭り、名物の加工品とともに地域別の表でわかりやすく紹介します。
ブルーベリーは、日本ではまだ新しい果物です。それでも全国には、町や市、JA(農協)、観光協会が「わがまちの特産品」として力を入れている産地がたくさんあります。この記事では、自治体などの公式ページに書かれていることをもとに、北海道から九州までの「ご当地ブルーベリー」を地域ごとに紹介します。祭りや摘み取り、ジャムやお菓子などの名物もあわせて見ていきましょう。
帝国書院がまとめた「令和5年産特産果樹生産動態等調査」(2023年)によると、ブルーベリーの生産量が多い都道府県は、1位が東京(326.2トン)、2位が長野(249.9トン)、3位が群馬(238.4トン)、4位が茨城(205.2トン)、5位が千葉(108.9トン)でした。大都市の近くで、摘み取りや直売でとれたてを届ける産地が上位に入っているのが特徴です。
都道府県ごとの順位や数字は日本のブルーベリー生産量ランキングで、日本にブルーベリーが広まった歴史はブルーベリーの歴史と文化でくわしく紹介しています。
果物の町として知られる仁木町では、観光協会のページでブルーベリー狩りができる農園が8つ紹介されています。ブルーベリーは町内では比較的新しい果物ですが、栽培農家の努力で広く知られるようになったと説明されています。手摘みで味わえるのは7月中旬から8月中旬ごろです。
千歳市の観光情報サイト「ちとせ観光ナビ」では、北海道はブルーベリー栽培が盛んで、寒さに強い品種が育つと紹介されています。新千歳空港から車で20分ほどの範囲に農家が点在し、7月下旬から8月下旬ごろが摘み取りの中心です。千歳市は、見た目がブルーベリーに似た「ハスカップ」の特産地としても知られています。
岩手町は、県内に先がけて昭和57年からブルーベリーの栽培を始めた町です。平成8年には観光農園が始まり、2025年で30周年を迎えました。町内の6つの農園が参加する「いわてまちブルーベリー観光農園」があり、令和7年度の出荷量は約35.7トンです。道の駅「石神の丘」では、ブルーベリーソフトクリームや関連商品が売られています。
富谷市はブルーベリーを「特産品」として打ち出し、市内のケーキ店やパン店と組んだ「とみやブルーベリースイーツフェア」を続けています。2026年で17回目となり、市制施行10周年の記念事業にもなりました。ブルーベリーを育てているのは「富谷市ブルーベリー生産組合」の皆さんで、富谷ブルーベリージャムもつくられています。
小平市は「ブルーベリー栽培発祥の地」です。東京農工大学の岩垣駛夫(いわがき・はやお)教授がアメリカからブルーベリーを取り寄せ、農家出身の教え子にその思いを託しました。こうして昭和43年(1968年)、小平市花小金井南町で農産物としての栽培が始まりました。今もブルーベリーワインやジャム、お菓子がつくられ、毎年夏には「ブルーベリーまつり」が開かれています。
練馬区は、東京23区の中で最大のブルーベリー栽培面積をもつと紹介されています。2005年から区とJA東京あおばが協力して摘み取り園づくりを進め、2007年に8園だった摘み取り園は2025年には30園になりました。区内産のブルーベリーは和菓子やケーキ、発泡酒にも使われています。
国分寺市は、市内の農家が育てた野菜を「こくベジ」として広める取り組みをしています。夏には市内産ブルーベリーを使った特別メニューを飲食店で味わう「ブルーベリーフェスタ」が開かれ、2026年は31店舗が参加しました。
埼玉県のページでは、美里町を「国内最大規模の植栽面積を誇る」ブルーベリーの町として紹介しています。町内には約20の観光農園があり、6月下旬から8月下旬まで長い期間、摘み取りが楽しめます。ジャムやジュースなどの加工品は、JA美里万葉の里直売所などで買えます。
木更津市では、1980年代半ばごろから富来田(ふくた)地区を中心にブルーベリーの産地づくりが始まり、今では県内でも最大級の産地です。市内12か所の観光農園が「木更津市観光ブルーベリー園協議会」をつくり、農薬や化学肥料を使わない栽培に取り組んでいます。千葉県のページでも、木更津市は全国でも早い時期に京浜市場へ出荷する産地として紹介されています。市はブルーベリーのリキュールをつくりやすくする特区の取り組みも進めました。
群馬県の発表資料では、県のブルーベリーは収穫量が全国3位、栽培面積が全国2位とされ、主な産地として渋川市、沼田市、みなかみ町があげられています。毎年夏には「群馬県ブルーベリー品評会」が開かれ、2025年で16回目をむかえました。
茨城県は全国4位(2023年)の産地です。つくば市の構造改革特区の計画書には、市内で「ブルーベリー等の栽培も盛んである」と書かれており、つくば産の果物を使ったワインやフルーツ酒を新しい特産品にする「つくばワイン・フルーツ酒特区」が進められました。
JA全農長野によると、長野県では寒さに強いハイブッシュブルーベリーを昭和40年代から栽培しています。県内全域から出荷され、出荷時期は6月中旬から8月です。2023年の生産量は全国2位でした。
飯綱町の地域拠点「いいづなコネクト」では、町内の飯綱東高原や古町、高岡地区などの農園が紹介されています。町内のお菓子屋さんではブルーベリーのレアチーズケーキやタルトがつくられ、ジャムや冷凍ブルーベリー、ジュースも人気です。
能登町では約90軒の農家がブルーベリーを育てています。昭和58年に試験栽培が始まり、平成元年に田んぼの転作作物として本格的な栽培が始まりました。6月下旬から9月下旬まで収穫され、ワインやジャムが人気です。石川県の資料では「能登ブルーベリー」の生果や冷凍品、ソース、「能登町ブルーベリーカレー」などの商品も紹介されています。
愛知県の農業情報では、豊根村のブルーベリーは村の特産品目で、標高約700メートルをこえる寒暖差の大きい気候を生かして育てていると紹介されています。JA愛知東ブルーベリー研究会が出荷前の目揃え会を開き、摘み取り園は7月上旬から順に開きます。
木津川市の資料では、市内の山城町神童子(じんどうじ)でブルーベリーが多く栽培されていると紹介されています。
和歌山県の食材紹介では、広川町と有田川町がブルーベリーの産地です。平成10年代半ばに栽培が広がり、土で育てる方法と、ポットで養液を使って育てる方法があります。出荷は6月下旬から8月下旬までです。
岡山県の観光サイトでは、吉備中央町はブルーベリーの生産量が「県下No.1」と紹介されています。町内の「ブルーベリーランド吉備」では、夏の日曜日に収穫体験やマルシェを楽しめる収穫期イベントが開かれています。
徳島県観光協会のサイトでは、美馬市の「しではらブルーベリー園」や「ベリーベリーファームわきまち」をはじめ、阿波市、佐那河内村、板野町、阿南市、三好市の摘み取り農園が紹介されています。県内各地で6月から8月ごろまで摘み取りが楽しめます。
九州農政局の資料では、山都町は茶やイチゴ、栗、しいたけなどと並んでブルーベリーの生産が盛んな町として紹介されています。
竹田市久住町の「くじゅう花公園」では、農薬を使わずに育てた11種類、約2,500本のブルーベリーの摘み取り体験ができる「ブルーベリー収穫祭」が夏に開かれています。
中小企業庁の地域産業資源の資料では、宮崎県はブルーベリーを県全域の農林水産物として、またブルーベリー園を観光資源として指定しています。
| 地域 | 産地 | ここがポイント |
|---|---|---|
| 北海道 | 仁木町 | 観光協会が8つの摘み取り農園を紹介 |
| 北海道 | 千歳市 | 空港から近い農園、ハスカップも特産 |
| 東北 | 岩手県岩手町 | 昭和57年から栽培、観光農園は30周年 |
| 東北 | 宮城県富谷市 | スイーツフェアは2026年で17回目 |
| 関東 | 東京都小平市 | 1968年、日本の栽培発祥の地 |
| 関東 | 東京都練馬区 | 23区で最大の栽培面積、摘み取り園多数 |
| 関東 | 東京都国分寺市 | 「こくベジ」ブルーベリーフェスタ |
| 関東 | 埼玉県美里町 | 国内最大規模の植栽面積、約20の観光農園 |
| 関東 | 千葉県木更津市 | 県内最大級、12の観光農園が協議会 |
| 関東 | 群馬県(渋川市・沼田市・みなかみ町) | 収穫量全国3位、県の品評会 |
| 関東 | 茨城県つくば市 | ワイン・フルーツ酒特区 |
| 中部 | 長野県 | 昭和40年代から、2023年は全国2位 |
| 中部 | 長野県飯綱町 | 高原の農園とブルーベリースイーツ |
| 北陸 | 石川県能登町 | 約90軒、能登ブルーベリーのカレーやソース |
| 中部 | 愛知県豊根村 | 標高700メートルをこえる山の産地 |
| 近畿 | 京都府木津川市 | 山城町神童子で多く栽培 |
| 近畿 | 和歌山県(広川町・有田川町) | 平成10年代半ばから広がる |
| 中国 | 岡山県吉備中央町 | 生産量は県下No.1 |
| 四国 | 徳島県(美馬市など) | 県内各地に摘み取り農園 |
| 九州 | 熊本県山都町 | ブルーベリーの生産が盛ん |
| 九州 | 大分県竹田市 | くじゅう花公園のブルーベリー収穫祭 |
| 九州 | 宮崎県 | 県全域の地域産業資源に指定 |
全国の摘み取り農園はブルーベリー狩り農園一覧から探せます。遠くの産地の味は、ブルーベリーのお取り寄せで楽しむのもおすすめです。
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