ブルーベリーの栄養と日本の産地|生産量1位は意外なあの都道府県
ブルーベリーは食物繊維とビタミンEが豊富な果物。アントシアニンの話から、生産量日本一の意外な都道府県まで、知って楽しいデータを紹介します。
世界の生産量はこの50年で10倍以上に、日本国内でも生産量1位の県が2015年に入れ替わりました。FAOと農林水産省の統計をもとに、長期的な生産量ランキングの移り変わりをたどる特集記事です。
いまでこそ夏の風物詩として全国で楽しまれているブルーベリーですが、世界的に見ても「農産物」として本格的に生産されるようになったのはこの100年ほどの出来事です。国連食糧農業機関(FAO)の統計と農林水産省の統計を突き合わせながら、世界と日本それぞれの生産量ランキングが、この50年ほどでどのように移り変わってきたのかをたどってみます。
FAO(国連食糧農業機関)の統計を再編集したデータによると、世界のブルーベリー生産量は1970年時点で約6万トンでした。それが2019年には約82万トンまで拡大しており、50年足らずで10倍以上に増えた計算になります。主要な生産国の推移は次のとおりです。
| 年 | 世界計(t) | アメリカ | カナダ | ペルー | スペイン | メキシコ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1970年 | 60,749 | 30,060 | 12,959 | — | — | — |
| 1980年 | 73,769 | 46,381 | 13,647 | — | — | — |
| 1990年 | 135,547 | 79,940 | 36,114 | — | — | — |
| 2000年 | 211,143 | 84,670 | 60,616 | — | 5,082 | 285 |
| 2010年 | 327,866 | 188,926 | 83,550 | 30 | 6,696 | 1,059 |
| 2015年 | 540,122 | 254,012 | 175,549 | 10,585 | 21,060 | 15,489 |
| 2019年 | 823,328 | 308,760 | 176,127 | 142,427 | 53,380 | 48,999 |
1970年〜1990年代は北米(アメリカ・カナダ)がほぼ世界生産のすべてを占めていましたが、2000年代に入るとスペインやメキシコなど南半球・中南米勢が少しずつ登場し始め、2010年代に劇的な変化が起こります。
表の中でもひときわ目を引くのがペルーです。2010年時点ではわずか30トンとほぼ生産実績がなかったのに対し、2019年には142,427トンに達し、10年足らずで世界有数の生産国に躍り出ました。その後も成長は続いており、FAO統計を紹介する各種資料によれば2022年にはアメリカに次ぐ世界2位の生産量(約22.8万トン)となり、長年2位の座にあったカナダ(同年約14.7万トン)を上回ったとされています。2023年〜2024年にかけてもアメリカ・ペルーの上位2カ国体制が続いており、2024年はアメリカ約40.2万トン、ペルー約35.4万トンと報じられています。チリ・メキシコ・スペイン・ポーランドなど、南半球産と欧州産の産地が着実にシェアを伸ばしているのも近年の特徴です。
日本にブルーベリーの苗木が研究用に持ち込まれたのは1950年代とされていますが、栽培が本格的に広がり始めたきっかけとしてよく知られているのが、1968年に東京都小平市の花小金井地区で行われた植え付けです。東京農工大学の岩垣駛夫教授がアメリカから気候に合う品種を導入し、地元農家の協力を得て栽培が始まったと伝えられています。導入から半世紀以上を経た今も、小平市には島村ブルーベリー園や美園フルーツファームなど摘み取りを楽しめる農園が営業しており、「栽培発祥の地」を実際に訪れることができます。ブルーベリーが北米から日本に伝わった経緯やその後の広がりについてはブルーベリーの歴史と日本上陸物語で詳しく紹介しています。
農林水産省の「特産果樹生産動態等調査」で都道府県別の生産量が確認できるのは2003年産以降です。全国計と上位県の推移は次のとおりです。
| 年 | 全国計(t) | 長野県 | 東京都 | 群馬県 | 茨城県 | 千葉県 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2003年 | 1,052.7 | 259.0 | 56.1 | 142.1 | — | 36.7 |
| 2005年 | 1,460.8 | 311.0 | 157.1 | 144.0 | — | 62.7 |
| 2010年 | 2,258.5 | 467.0 | 184.4 | 283.9 | — | 86.0 |
| 2013年 | 2,700.1 | 444.0 | 377.0 | 262.6 | — | 134.9 |
| 2015年 | 2,547.4 | 286.1 | 313.2 | 275.8 | — | 134.0 |
| 2018年 | 1,521.1 | 178.5 | 140.0 | 134.9 | — | 81.9 |
| 2021年 | — | 256 | 334 | 231 | — | — |
| 2022年 | 2,220.5 | 252.2 | 326.0 | 236.7 | 203.5 | 108.9 |
2018年に全国計が一時1,521.1トンまで落ち込むなど、農産物らしく年によって増減がありますが、長期的には右肩上がりの傾向が続いています。2022年産では茨城県が203.5トンで4位に入るなど、上位県の顔ぶれも少しずつ変わってきています。
上の表からもわかるとおり、2013年まで全国トップだった長野県は、2015年に東京都に生産量で逆転されています。ブルーベリーの栄養と日本の産地でも紹介しているとおり、東京都は30年以上トップだった長野県を2015年に抜いて以来、2021年・2022年と生産量日本一の座を守っています。都市近郊という立地を生かした観光摘み取り園の多さが、東京都の強みとされています。
現在の栄養価や産地の詳しい話はブルーベリーの栄養と日本の産地|生産量1位は意外なあの都道府県に、北米から日本への伝来の歴史はブルーベリーの歴史と日本上陸物語にまとめています。あわせてご覧ください。
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ブルーベリーの収穫量日本一は東京都。2023年産の都道府県別ランキング上位15と全国合計2,263.8トン、群馬・東京・茨城の栽培面積と収穫量の推移、東京が1位の理由を農林水産省の統計でやさしく解説します。