ブルーベリーの1月の作業|冬の剪定と雪対策、肥料の準備
ブルーベリーの1月は休眠期。冬の剪定のコツ、雪の多い地域の枝折れ対策、肥料の準備を、家庭栽培(鉢植え・庭植え)の方向けに、自治体や農業試験場などの公開資料をもとに、わかりやすくていねいに解説します。
読む →11月のブルーベリーの作業を、紅葉と落葉の観察、水やり、植え付け・植え替え、休眠期の基肥の準備、雪と寒さへの備えまで、鉢植えと庭植え別に解説。公的機関の資料に基づく月ごとの具体的な作業を、チェックリスト付きでわかりやすくまとめています。
11月は、ブルーベリーの葉が赤く色づき、やがて落葉して休眠に入る月です。富士市の広報では11月頃に葉が赤く色づき紅葉を楽しめる時期とされ、東京都の研究資料では、落葉の期間が年により「11月中〜1月上」「11月下〜1月上」「12月中〜1月下」などと記録されています。このように落葉の時期は年や地域で大きく変わります。11月の作業は、落葉の進み具合を見ながら、植え付け・植え替え、寒さと雪への備え、そして休眠期の施肥の準備を進めることです。秋冬全体の考え方は秋冬の管理で説明していますので、ここでは11月ならではの作業に絞ります。
ブルーベリーは落葉果樹で、冬は葉を落として休眠します。ホームセンターの栽培解説でも、秋に葉が落ちること、中野区の資料でも12〜2月が葉を落とす休眠期であることが書かれています。休眠中は生育が止まりますが、根が完全に活動を止めるわけではありません。秋田県の資料には、冬の間に植え付け前の苗を小屋などで保管する際も、根が乾かないよう時々水をやるよう書かれています。鉢植えは、葉がなくても土が乾いていないかを定期的に確認しましょう。
水やりの量は、夏に比べて少なくて済みます。ただし「冬は水やり不要」と思い込むと、鉢の土が乾き切ってしまうことがあります。表面が乾いたら水を与える、という基本を守るだけで十分です。詳しくは水やりのコツをご覧ください。
落ち葉は株元から片付けておくと、株元の状態が見やすくなります。一方で、東京都の研究資料によれば、落葉によって樹から出ていく養分も無視できません。ティフブルーの成木では、1樹あたりの落葉量が2.6〜5.2kg、未成木で0.8〜1.8kgとされ、成木の落葉で10aあたり窒素2.6〜3.9kg、カリ4.6〜5.5kgが樹体から失われると推計されています。もちろん家庭の1〜2株とは規模が違いますが、「落葉にも養分が含まれており、翌年のための肥料設計では、この分も意識する」という考え方は参考になります。
暖地では、落葉が始まる11月から、植え付け・植え替えの適期に入ります。山口県の栽培指標では、11〜12月の作業として苗木の定植が挙げられています。一方、北海道の指針では、秋植えは凍害の危険があるため春先に定植するとされ、秋田県の資料でも、晩秋に植えた場合は雪で枝が折れる心配があり、涼しい小屋で冬越しさせて雪解け後に植える方法も示されています。11月はお住まいの地域の冬の寒さを基準に、秋に植えるか春まで待つかを決める月です。
植え付けの手順の要点は次のとおりです。
詳しい手順は鉢植えの植え付け、庭植えの植え付けで写真つきで紹介しています。
植え付けや植え替えを考えるとき、見落としやすいのが系統ごとの寒さへの強さです。秋田県の資料は、秋田のような寒冷地ではラビットアイ系は冬の凍結による傷みで生育や結実が不安定になるため向かないとし、植える苗がハイブッシュ系であることを確かめるよう勧めています。宮城県の資料でも、ラビットアイ系は北部ハイブッシュ系より耐寒性が劣り、山間地や冬に北西風が直接当たる地域は避け、平野部での導入が望ましいとされています。11月に苗を買う前に、苗のラベルで系統を必ず確認しましょう。
また、実をつけるには同じ系統の品種を2種類以上植えるのが望ましいとされています(ホームセンターの解説)。庭植えで複数本を植える場合は、庭植えの植え付けで品種の組み合わせも確認してください。
秋に苗を植えた場合、翌年の春に花芽がつくことがあります。秋田県の資料では植えてから1〜2年は、北海道の指針では定植後2年間は、花芽を摘み取って実をつけさせないとされています。株を大きく育てることを優先するためです。花芽を取るのは春ですが、苗を植える秋の時点で「最初の1〜2年は実を我慢する」と覚えておくと、計画が立てやすくなります。
長野県の資料では、成木の基肥は休眠期(11月〜3月)に施すことが基本とされ、急激に溶けない肥料を使うよう書かれています。成木(7〜8年生以降)で窒素量は10aあたり7kg程度という基準も示されています。金沢市の講座資料では、基肥を「落葉後〜3月ごろ」に、8-8-8程度の化成肥料などで施す例があり、「肥料のやりすぎは無肥料より危険」と注意されています。一方、中野区の資料では寒肥を2月に施すとされており、家庭では12月〜2月に施すのが、実際のところ分かりやすい目安です。11月は、肥料の種類(ブルーベリー専用肥料など)と量の確認をしておけば十分です。
なお、植えてから2〜3年の若木については、秋田県の資料に「春先にごく少量(軽くひとつまみ程度)」とあります。長野県の資料でも、定植1年目は活着するまで施肥せず、その後、1株あたり窒素6〜8gを2〜3回に分けるとされています。若木は特に控えめにしてください。詳しくは肥料の与え方で解説しています。
積雪の多い地域では、枝が雪の重みで折れる被害が出ます。秋田県の資料では、木が小さいうちは支柱に枝を縛りつけ、成木は全体を縄で束ねておくと積雪に耐えるとされています。北海道の指針でも、幼木は縄などで冬囲いをすると書かれています。育苗中の鉢苗は、露地で越冬させる場合に鉢を横に倒し、野ネズミの被害に注意します。
株元のマルチは、浅い根を守るのに役立ちます。宮城県の資料では浅根性のため有機物マルチで過乾湿を防ぐよう勧められ、長野県の資料では厚さ10〜15cm、樹冠の下1m程度が示されています。詳しくはマルチングの方法へ。
前の月は10月の作業、次の月は12月の作業です。全体像は年間カレンダーでご確認ください。
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